3月のアルプスは厳冬期。今年は暖かく積雪は少ない。アルプスの雪山入門として手ごろな山。アルプス雪山登山初体験の2名を含む5人で出かけた。登山ルートは、中の湯温泉ルート。駐車場事前予約必至。冬山装備の身繕いを済ませ、テン泊一泊のためのテント一式、食料を各自分担。結構な負荷で、温泉施設すぐ横から、登山道に入る。少ないと言えど、膝上までの積雪ラッセル。事前のネットでの情報では、入山者が結構あり、トレースが出来ていると読んでいたが、昨日の降雪でまっ平らなバージンスノー。安房林道からいきなりの急斜面の登山道。

駐車場利用は完全予約制。林道入口で通行チェック。
予約者氏名と、スタットレスタイヤの有無。


降雪・強風。いきなりのトレース無しのラッセル。

今は、安房トンネルができ使われていない。今日は深い雪の中。

降雪で隠れている、踏みしめられた登山ルートを外れると、踏み抜きで、いきなり落とし穴。
抜け出すのに一苦労。


吹きさらしの広場では、テント生活難儀予測。樹林帯の中をテント場にして、BC設営。
肩を組み、足並みそろえて雪面を平らにする。
初参加の二人、その行為が楽しいらしく、はしゃぐ。


今夜の食事は、フリーズドライ(FD)のドンブリと味噌汁&アルファ米。
この頃の山食材は、美味しさの大革命や~!! 満足。

生命維持に必要なものだけをもって。
今日は早朝から快晴、東方向、穂高連峰稜線から太陽が昇る。


紺碧の空に、焼岳の双耳峰が浮かぶ。絶景に歓声が上がる。

バージンスノーは良く締まり、カンジキ効果もあり快適に歩ける。
来た者だけしか味わえない、至福のひと時。

遠くに南アルプスの山並みがうっすらと。

北峰からの雪崩の危険を避けて、南峰の山腹をトラバース気味に登る。
南峰稜線にも雪庇がせり出していた。
雪崩の危険性を避けて、緑色線冬道稜線ルートをご利用ください。
通称「広場」の先から、左尾根に早めに取付きが良いと思います。

やっと先頭ラッセルから免れた・・・と安心したら!

ずっと先に登る人を見てお分かりだろう。
雪面から30cm下は凍った根雪。アイゼン前爪を蹴りこみ足場を造るが
踏み込んだ途端、ズルズル。一歩進んで二歩下がるの、繰り返し。
その時の労力を要する現実と、精神的破綻。これほどつらいものは無い。

写真奥の大きなピークは乗鞍岳。

頑張る75歳(後)と78歳(前)の老人には、チョットハードでした。

少~し若者(女性)は、Vサイン。

無雪期は、岩峰折り重なる山頂で、危険なため登頂禁止です。
積雪期はなだらかな、展望抜群の宇宙世界。

記念撮影 2020.3.21 11:07登頂
樹林帯BC発6:34-山頂着11:07 所要時間4時間40分(予測3時間だった)

南方向 レンズ雲のかかる、乗鞍岳。


右ピークから、明神岳・前穂尾根・前穂高岳・吊尾根・奥穂高岳~北穂高・槍ヶ岳方面



焼岳南峰山頂で。背景は穂高連峰。

アルプスの雪山なんて、登れると思ってなかった。ウルウル😿

南尾根冬道ルートを下山。


登りの緊張感から解放されて、安心斜面をのんびり下ります。




多くの登山者が歩き、奇麗なトレースが、下山口まで続く。
初参加の二人、タイミングよく、厳冬期の冬山装備を揃えた。
一人は、厳冬期アルプス登山に万全な重登山靴。
もう一人は、この日のために、山屋店舗で目星をつけていた、
ハードシェルのオーバージャケット頑張って購入した。
それぞれ大変高価な品物だ。
風雪の中、-15度の寒気に耐えてのラッセル登山。今にも滑落しそうな急斜面のトラバース。その時の、新調した冬装備の効果は、予想以上のものだった。今回利用できて良かったと、その価値観を実感し、もう元を取れたも同然だと、大感動!!。
それだけでも、今回の焼岳登山の価値があった。さらに、先輩会員から、カンジキの扱い方について雪山安全登山の知識を得た。
雪山登山にぞっこん惚れ込んだようだ。今後の活躍が楽しみだ。
下山後、大阪に帰るには中途半端な時間。平湯温泉の温泉旅館に一泊。露天風呂で、焼岳登山を振り返り、思い出会話に、その楽しかったことをさらに実感した。

登山日 2020年3月20~22(金~日)
投稿日・担当 KONK会員 H.K 投稿 日2020年3月25日